生薬とは? それぞれの歴史と背景

健康医学

生薬とは、人及び動物に対して薬効を持つ、 動物・鉱物・植物である。

そしてその法則に則り、人類は様々な生薬を活用してきました。

最近では、動物由来の健康食品原料として、プラセンター・コラーゲン・ヒアルロン酸 EPA・DHA・等があります。 1980年代に日本人の食生活の欧米化にともない、大手企業(商社)等が、次々と畜産事業に参加します。 その際に、日本に於ける飼料や人件費の高騰で、国内での畜産に見切りをつけた大手企業は、 オーストラリア・アルゼンチン・メキシコなど海外の飼料の原産国で、 直接畜産事業を展開する方向を選択します。 日本国内での食肉需要が増大すると共に、膨大な量の畜産廃棄物 (低付加価値) の、 骨、血、皮、 が出てきます。

そこで、 その産業廃棄物の皮や骨から、コラーゲンを分離し化粧品や、健康食品に応用する事になります。 また、養鶏の廃棄物であるトサカからはヒアルロン酸が、 そして子沢山の畜産ブタの胎盤からはプラセンター等が分離され活用される事になります。

脂肪酸オメガ3の活用

食生活の欧米化によるオメガ6という植物油の過剰摂取により、肥満や高脂血症が問題となると、 中鎖やオメガ3のEPAやDHAが、注目されます。 水産資源に恵まれている、カナダやアラスカではその貴重な水産資源を守る為に、年間数万頭のアザラシ等の海獣を殺害しています。以前は皮だけを剥ぎ食用価値の低い肉などは廃棄していました。この事が国際社会で問題となると、カナダ政府は高脂血症などを改善する、オメガ3のEPAを豊富に含むとして、アザラシ等の海獣からEPAを分離し、人類の健康の為に活用すると謳います。

鉱物の利用

鉱物の生薬への利用の歴史は古く、紀元前に遡ります。シッダ医学には微弱な毒は免疫を高めるとして、希釈した水銀などを古くから用いてきました。また、アルトン・シュルツ、の法則という考えから、低放射線のラジウムやラドンの低放射線を用い、 微量の被曝により、癌が消える?という話が真実のように騒がれた時もあります。

もちろんこの事は数年前に・WHO・により否定され、アメリカではラドンガスがたまり易い、鉱石の採掘現場で働く人達や、 地下室でラドンガスの暴露を受けた人の肺ガンの発症率は、通常の値よりも遥かに高く、放射線は微量といえども避けるべきである。と結論づけられました。

鉱物生薬のなかで重要な位置づけがされているものに、13種類 (16種類ともいう)の必須ミネラルがあります。

亜鉛・カリウム・リン・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・硫黄・コバルト・塩素)

しかし、これらのミネラルは特に摂取しなくても、アミノ酸などの有機物化合物として我々は日々の食事で摂取しています。 特に日本人の食生活は海草などの海産物や、穀類を多く摂取しているために、幾つかを除いてあえて過剰に摂取しないよう、許容上限摂取量が栄養学的に決められていれてます。 例え無害の物でも過剰に摂取すると、 全ての物が有毒な物質へと変化し、 有害な作用を及ぼす事も確認されています。

植物生薬

我々にとって最も身近な存在が植物生薬です。 古くから人類は植物毒のアルカロイドや青酸配糖体を含む生薬を利用してきました。

アミダグリンを含むアンズの種子や、青酸配糖体を含む梅の種子、アヘン原料のケシ・カンナビノイドを含む大麻・アドレナリンに似た作用のある・エフェドリンを含むマオウ、リシンを多く含むマメ科の植物・

これらの植物は紀元前からシャーマンの幻覚剤や時には薬として利用されてきました。 微弱な毒は人の免疫を活性化する、というシッダ医学の考えが根幹にあります。

また、茶・ショウガ・モロヘイヤ・ゴマ・胡椒・桂皮・ニンニク・大根・等々の多くの植物が、 薬効のある植物として紀元前から栽培されてきました。

インドネシア原産の薬用植物

現在このような植物由来の有機化合物の多くは、 大半が化学合成されています。 それに伴い、本来人体には無害であるはずの成分が高い濃度で用いられ、 肝機能障害や癌細胞の増殖、というまったく異なる問題を起こす事があります。

今インドネシアに於ける植物生薬が注目される背景には、オランダやドイツによる近代科学に基づいた裏づけがあったからです。

紀元前より様々な生薬の原産地でもあったインドネシアですが、 17世紀にアジアに進出したオランダは、現在のジャカルタ (バタビア) を整備し、東南アジアの拠点としてインドネシアを統治します。 そして当時赴任していた医師 JACOBUS や、ドイツ人の医師カールワイツらの手により、19世紀にはすでにこれらの生薬がヨーロッパに紹介され、 科学的な裏づけが行なわれました。

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